語るぬりかべ

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ぬりかべ体躯のアラサーが、美容と日々の暮らしに奮闘しつつ楽しみを見出す記録。

ピルで生理痛とPMSと「自然が良い」という固定観念から解放された

今回はピルの話をば。そろそろ2年になりますか、低用量ピルを服用しております。マーベロン28というものです。その効用が私にとってはすごく大きかったので、巷にこういった話題は溢れていることは百も承知なのですが記事にしたいと思います。あとは、後半で自然崇拝に物申したいというのもある。

 

高校生の頃から生理痛がひどくなり、大学生になってからはPMSにも苦しめられるようになりました。生理中は痛み止めを飲んでも飲んでも効かず、気付いたら寝てる(多分意識が遠のいた)といった状態で、婦人科で検査もしたのですが特に異常なしとのことでした。PMSは人によって出方が違いますよね〜。私は生理前の過食と気分の落ち込みが凄まじく、食べても食べても満腹感がなく延々と食べ続けていました。特に何があったわけでもないのにいきなり超ブルーになってふにゃふにゃ泣いたりして。あとはねー、生理前は便秘、生理が始まってからは下痢。中学までは気付いたら生理来てる軽い側の人間だったので、わからない人の気持ちもわかる。こんなつらいなんて夢にも思わなかったもん。

 

いやーこのまんまじゃ日常生活が送れんぞ、と危機感を持ちネットで色々調べました。低用量ピルが良いという口コミをよく見かけていたのでくだんの婦人科でもそれとなく希望を伝えたのですが、様子見で〜と言われ処方してもらえませんでした。お医者さんによって治療の方針が違うのでまあ仕方がないのですが。その先生は漢方推しだったけど、私は既に当時煮出すガチの漢方を飲んでいて、その中に月経に関する物もあったのだ。でもだめだったんだぜ。

 

とはいえやっぱり飲んでみたいな〜、楽になりたいし。と再びネットで検索し、都内のピル外来の門を叩きました。そこは初回のみ医師の診察、以降は一年毎に血液検査、MAX12ヶ月分処方してもらえるというズボラには夢のようなところ(まあこのへんは安全面から異論あると思いますが)。診察も血液検査も特筆すべきことはなかったですね。まあこんなもんだなという感じ。最初は確か1月分しか出なくて、次回からまとめて貰ったと記憶しています。まあ、合う合わないがかなりあるお薬なのでそれがいいですよね。

 

で、飲み始めたわけです。そしたらまあ…なんだこの楽さは…まずは生理痛がぴたっと止みました。痛み止めを飲んでも効かなかった生理痛が。もうこれだけで花丸です。(追記:その後ちょこちょこ痛む時が出てきました。でも痛み止めを飲めば大丈夫)

次に、経血量ががくっと減る。元々そこまで多い方ではなかったものの、人並みに2日目3日目はマメに替えないと駄目だし色の薄いボトムは怖くて履けなかった。それが、体感的には半分以下になりました。多分半分よりもっと少ない。最後に実感したのはPMSですかね。気付いたら「あれ?最近過食してないわ」という感じ。月によっては怪しい時もありますが、飲む前と比較したら雲泥の差です。

 

えーこんなに楽なら早く飲めば良かった!これに尽きます。勿論副作用が起こる人もいるし、血栓リスクは多少高まるみたいだけど、今のところ自分には合っていたようで特段不具合は起きていません。あまりに快適だから同じく生理痛が重い妹にも勧めて、彼女も飲み始めました。妹の場合は生理痛はまだ残っているらしい。ただ、冷える環境で働いているのでそれもあるかなと言っていた。やはり個人差ありますね。とはいえかなり確度の高い緩和方法だとは思うので、周囲の友人で悩んでいる子がいたらひとつの手段としてこの話をしています。

 

さて、ここまででタイトルの生理痛とPMSまでは回収しました。残るは「自然が良い」という固定観念から解放されたことについて。

 

ピルって、ホルモンバランスを整えて生理を安定させて、妊娠しなくなる薬じゃないですか。それってまあナチュラルでないと言えばそうだし、ピル=避妊のイメージもあってなんとなく、本当になんとなく敬遠されがちなお薬だと思うんですよ。祖父母・親世代はかなり抵抗があるなと感じる(うちの場合はおそらく避妊という部分)し、私は男友達ともこういう話題になれば割と躊躇なく話すのですが、おう…という反応をされることも多い。そして自分自身も、どことなく後ろめたいというか、これはあまり良くないことなのではないか?という疑念を持っていました。そう考える理由はよくわからないし、助かっていることは超認識しているのですが。

 

そんな思いに終止符を打ったのは、知人の精神科医でした。ひょんなことからピルの話になり、PMSと生理痛がひどくて飲んでるんですよね〜という話をすると、「生理止めちゃうのが一番早いからね!産む時に飲むのやめりゃいいだけだし」と。私はなぜかそれで爆笑したのですが、本当に気が軽くなりました。そうだよ、元凶の息の根を止めちゃえばいいのだ。元凶なんて言っちゃあ失礼かもしれないですが。婦人科が専門ではない医師の言葉ですし、裏付けがないと言えばないのかもしれない。でも、私のよくわからないながらに背負っていた肩の荷を降ろしてくれたのはこの言葉でした。

 

考えてみれば、「自然」のままを最上とするならば、例えばガンや脳卒中などの病気になったとしても、病気になった状態が「自然」だから治療する必要がなくなるわけで。これは極論ではないと思っていて、所謂民間療法は化学治療を自然ではないものとして扱っているものが多く、それが高じると病院での治療を拒否するような事態に陥ってしまう。当然のことながら何を信じるかは本人の自由だし、人によってはすごく体質に合う場合もでしょうし、頭から民間療法を否定するつもりはありません。しかし、「自然」を最も良いものとするのは逆に健康を害する恐れや可能性があるもの、すなわちかなり危険を孕んだ考えだと思います。オーガニック信仰もこれに類するものだろうな。あと、ステロイド叩きも。

 

そもそも健康の定義などというのも幅のあるもので、WHOによれば「健康とは、完全な 肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。 到達しうる最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利の一つである」なんですよね。何をもって健やかとするかは人によって異なるわけです。私の場合は肉体的、という点で言えば生理痛がなくなったのが当てはまりますし、精神的な状態、という点からすればPMSがほとんど発症しなくなったことが合致する。健康を享有している。

 

私が服用しているピルはホルモンバランスに働きかける薬であり、普通に生活していては起こりえないことです。でも、それによって私の健康は担保される。ならば、リスクや可能性を理解した上でピルを飲むことに対して、なんら気負うことはないのではないか、と。

 

まあそりゃ飲まずに済むなら飲まない方が楽なんで(楽かどうかは私の命題です)、体質改善と言われるアプローチや婦人科関係に良いと言われるオメガ3も試してみようと思います。いつかは飲まずに快適な生活が送れるようになったらいいなと思う。ステロイドもそのうち使わなくて良くなったらいいなと思う。でも、私は私の健康な生活を維持し、少しでも多くのエネルギーを自分のために、また人のために使えるように、薬を飲み、使います。それが今の自分にとっての「自然」で、「健康」でいられる術なので。

 

ま〜た長くなってしまった…ほとぼりが冷めた頃に推敲しようとは思いますが、勢いがある文というのも大事かな。前後編に分けた方が読みやすいかしら。まあいつかの自分がまた考えるでしょう。おわり。

 

追記:その後、ピルを使って生理移動もしてみました。

nekonekosanpo.hatenablog.com